伝統を今に、感性を未来に
素材に宿るやさしさと品格
日常に寄り添う、旬月神楽の和菓子たち
伝統を今に、感性を未来に
素材に宿るやさしさと品格
日常に寄り添う、旬月神楽の和菓子たち
呉市/広島
2025.07.09
1951年、広島県呉市で創業した「蜜屋本舗」。現在は創業の地・呉市と広島駅構内に「蜜屋」を2店舗、広島市内に「旬月神楽」を2店舗展開しています。はちみつのやさしい甘さを生かした和菓子は、地元・呉をはじめ、幅広い世代から長く親しまれてきました。
広島土産としてはもちろん、日常のちょっとしたご褒美にもぴったりな蜜屋本舗の和菓子。今回は「旬月神楽」で提供されている商品の中から、特に人気の高い品々をピックアップし、それぞれの魅力や誕生の背景について、取締役専務・明神宜之さんにお話を伺いました。
「旬月神楽」で味わえる、シーズン限定の「日光天然水かき氷」は人気メニューのひとつ
最初に紹介するのは、日光の天然氷を使った「かき氷」。天然氷は製造に手間がかかるうえ、生産者も限られるため、非常に貴重な素材となっている。この氷を仕入れるため、明神さんは自ら栃木県日光市の蔵元を訪ね、丁寧に交渉を重ねたという。
自然の寒さの中で約2週間かけてじっくりと凍らせた天然氷は、通常の氷よりも溶けにくく、より薄く削ることができる。その結果、ふわふわで口溶けの良いかき氷に仕上がる。
定番の「ピスタチオ苺ミルク」には、濃厚なピスタチオソースに自家製ミルク、廿日市産の苺を使用。季節ごとに旬の素材を取り入れた限定メニューも登場しており、どれも趣向を凝らした一品ばかり。訪れるたびに新しい味に出会える。
この天然氷のかき氷は、「旬月神楽 白島工房」と「旬月神楽 福屋広島駅前店」で提供。春から始まり、1シーズン分の氷がなくなり次第終了となるため、例年8月下旬には販売終了となることもある。気になる人は、早めの来店がおすすめだ。
日光の天然水を使った「かき氷(ピスタチオ苺ミルク)」
続いて紹介するのは、旬月神楽で最も人気を集める「金のどらやき」と「銀のどらやき」。「金」には北海道産の大納言小豆を、「銀」には白小豆を使用し、それぞれ異なるあんこの風味が楽しめる。
蜜屋のロングセラー「みつどら」と比べると、甘さは控えめ。その分、日持ちは短くなるが、小豆の風味がよりダイレクトに感じられるのが特徴だ。粒をしっかりと残して炊き上げることで、ひと口ごとの存在感が際立っている。
親しい人への贈りものに選ばれることも多く、自分へのちょっとしたご褒美として手に取る人も少なくない。
異なるあんこの風味が楽しめる「金と銀のどらやき」
「食べる宝石」と称される美しいお菓子、琥珀糖。寒天と砂糖を混ぜてつくるこの和菓子は、江戸時代に京都の旅館主が考案したといわれており、長い歴史を持つ一品だ。近年では、その透明感のある見た目から「映えるお菓子」として再注目されている。
そんな琥珀糖の魅力を新たなかたちで提案するのが、酒とペアリングを楽しむために生まれた「酒とソルト。」。まるで宝石のような造形美を持ち、日本酒とともに少しずつかじって味わうのはもちろん、グラスに入れて一緒に楽しむという粋なスタイルも人気だ。
「酒とソルト。」は、そのビジュアルと洗練された味わいから、ギフトとしても高い人気を集めている。催事限定では、蒸留酒であるジンを使用した琥珀糖の展開もあり、今後はさらに多様なバリエーションが期待されている。なお、「酒とソルト。」はセレクトショップ型のオンラインストア「旅するように和菓子と出逢う」でも購入可能。
蜜屋本舗では、今回紹介した品のほかにも、手作業で丁寧につくられた和菓子の一部を公式サイトでも取り扱っている。こだわりの味を、ぜひ手に取って味わってみてほしい。
日本酒に合う、塩を使った琥珀糖「酒とソルト。」
その他の物語
人、まち、社会の
つながりを進化させ、
心を動かす。
未来を動かす。