地域の魅力を掘り起こす
道の駅おふくがめざす
場所づくりと商品づくり
地域の魅力を掘り起こす
道の駅おふくがめざす
場所づくりと商品づくり
美祢市/山口
2026.03.04
美祢観光開発株式会社が運営する「道の駅おふく」は、山口県美祢市の国道316号線沿いにあります。美祢ICから車で約15分、JR於福駅からも徒歩約3分と、アクセスしやすい立地です。敷地内には、特産品販売コーナーや手づくりシャーベット工房、レストラン「あまいろ食堂」、源泉かけ流しの「於福温泉」が併設されています。
お土産を求める観光客や温泉を楽しむ地域住民で賑わう同駅は、さらに多くの人に居心地の良い空間と魅力的な商品を提供すべく、挑戦を続けています。駅長・西浦信宏さんに、その魅力と挑戦についてお話を伺いました。
思いを語る、駅長の西浦さん
1998年にオープンした道の駅おふく。一番の名物は、素材本来の味と色にこだわった手づくりシャーベットだ。卵や砂糖を加えず、地元産の木苺、キウイ、秋芳の梨、ほうれん草などを生かしている。季節限定の味もあり、訪れるたびに新しい発見が楽しめる。提供開始当初は製造が追いつかないほどの人気だったが、近年はシャーベットを取り扱う他店が増え、競争が激しくなった。さらに、氷菓であるシャーベットは冬になるとどうしても需要が落ちる傾向がある。そこで新たな挑戦として、2026年からはシャーベットに加え、乳製品を使ったジェラートの販売も開始。他店との差別化を図り、季節を問わず楽しめるラインナップづくりを進めている。
もう一つの名物が於福温泉だ。大浴場、露天風呂、檜・塩サウナ、マッサージ場を備え、全浴槽で源泉かけ流しを楽しめる。月2回の「温泉感謝デー」では入浴料が半額になり、お得な月間パスポートも用意されている。地域住民に愛され、毎日のように訪れる常連もいるという。
味の種類が豊富な、名物のシャーベット
特産品コーナーには、地元で採れた野菜や果物、県内産の加工品、そして道の駅おふくのオリジナル商品が並ぶ。中でも一番人気は「美東ごぼうポテトチップス」だ。美祢の特産品である美東ごぼうをパウダー状にしてポテトチップスに加え、奈良の大仏に使われた銅が美祢産であることにちなみ、大仏のイラストをパッケージにあしらっている。もう一つの人気商品は、道の駅おふくオリジナルのクラフトビール「秋吉台エール」。美祢の作物や水を使い、「はだか麦エール」「秋芳の梨エール」「弁天水エール」といった個性豊かなラインナップを揃えている。どちらも観光客に人気で、ゴールデンウィークなどの繁忙期には特に売れ行き好調だという。
さらに、日本酒の品揃えも充実している。山口県内の銘柄を中心に取り揃え、ここまで種類が揃う場所は美祢市内でも珍しいという。地元客の利用も多く、毎週買いに訪れる常連もいるほどだ。
今後の展望として、西浦さんは「販売強化と地域の特色を生かした商品開発に力を入れたい」と話す。美祢の特産品といえば、ごぼう、梨、栗。しかし、生産者の高齢化や小規模経営の影響で、販路の開拓や販売促進まで手が回らない現状がある。そこで、道の駅おふくが販売やプロモーションを担い、生産者を支える仕組みを強化していきたいという。
また、どこの道の駅でも見かけるような商品構成を避けるため、オリジナル商品の比率を現在の1割から3割程度まで引き上げることも目標にしている。具体的には、梨を使った味噌ドレッシング、ゼリー、フィナンシェなどの開発を検討中。2026年中に、最低でも2商品を発売したい考えだ。
道の駅おふくと美東SA上りで限定販売されている、美東ごぼうポテトチップス
道の駅おふくでは、地域住民向けのイベント開催にも力を入れている。その背景には、西浦さん自身の経験がある。美祢市で生まれ育ち、宇部市で半導体関連のエンジニアとして働いたのち、2019年に道の駅おふくへ転職。2025年9月、駅長に就任した。美祢近隣で過ごしてきたにも関わらず、転職前に道の駅おふくに訪れたことはわずか2回しかなかった。「正直、行っても面白くないだろうと思っていました」と振り返る。近隣でも話題になることは少なく、観光客向けの場所という印象が強かった。
現在も、県外からの観光客が多い一方で、地域住民の利用は限定的だ。そこで駅長就任後の目標として、地域住民との交流を深めることを掲げた。それまで年2回だった地域向けイベントを毎月開催する計画を立て、マラソン大会や餅つき大会などを実施。こうした取り組みを通じて、地域にとって身近な存在になることを目指している。
また、県外からの観光客に、さらに足を運んでもらえるようなイベントの企画も進めている。これまでは夏のビアガーデンや春の花植えイベントなどを開催してきたが、今後は「花を植えて終わり」ではなく、その後につながるイベントも開催したいという。
西浦さんは、道の駅おふくに転職以来、社員教育にも力を入れてきた。お客様に居心地の良い空間を提供するためには、社員一人一人の接客スキルや施設管理への意識が欠かせない。これまでの取り組みで、そうしたスキルや意識は着実に向上してきたが、今後はさらに外部研修への参加も検討し、強化を図る考えだ。
ジェラートやオリジナル商品の開発、イベントの開催、社員教育――挑戦は多岐にわたるが、その原動力は「元気とやる気」だという。「何事にも積極的にチャレンジすることが大事だと思います。最初から諦めるのではなく、まずはやってみて、壁にぶつかったら考え、またやってみる。社員一同、元気とやる気で、多くの方に『行ってみたい』『また来たい』と思ってもらえる道の駅にしていきます」と西浦さん。その言葉には、地域に根ざし、新しい価値を生み出そうとする強い意志が込められていた。道の駅おふくは、これからも挑戦を続け、訪れる人々に心地良さと新しい発見を届けていく。

〒759-2301 山口県美祢市於福町上4383-1 地図を見る
TEL/0837-56-5005
営業時間/
シャーベットスタンド 10:00~17:00
特産品販売コーナー 9:00~18:00
あまいろ食堂(レストラン) 11:00~15:00(LO14:30)
於福温泉 11:00~20:00 (最終受付19:30)
定休日/全館 毎月第2水曜日(8月は除く)
於福温泉 毎月第2・第4水曜日(8月は第4水曜日)
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