周南市/山口

フグのコラーゲンに着目した
こだわりの石鹸で
笑顔と潤いを届ける

周南市/山口

惠良 桂衣_Fleur Parler ~フルール パルレ~

2024.04.24

山口県を代表する高級食材といえば「フグ」。取扱量が日本一の下関や関門海峡を挟んだ北九州では、昔からフグではなく「フク」と呼ばれています。その語源については「福にかけて“ふく”」「フグは不遇に通じることから嫌われる」「ふくれるから“ふく”」など、諸説あるようです。そんなフグのコラーゲンに着目した商品「FUKUSOAP」を展開しているのが、周南市を本拠地とする「Fleur Parler ~フルール パルレ~」です。

代表を務める惠良桂衣さんはお花の教室の講師としても活躍されています。Fleur Parler(フルール=お花、パルレ=しゃべる)という店名にも「お花と人と、一緒におしゃべりをしながら心から楽しい気持ちで過ごしてほしい」との願いを込めました。一方で惠良さんが手掛ける「FUKUSOAP」は石けん業界初「国内産トラフグの皮コラーゲン」を配合した全く新しいアイテム。お花を一つの軸に据えていた惠良さんが、どのような経緯でFUKUSOAPをプロデュースするに至ったのか、興味は尽きません。

今回はFUKUSOAPの開発ストーリーや商品の魅力について深掘りしています。また、インタビューを通じて「立ち止まることなく常に何かやっていたい」という惠良さんの思いにも触れることができました。

惠良さんの取材は、粭島にあるホーランエー食堂2階で

トラフグコラーゲン配合の石鹸を開発

1989(平成元)年より華道(小原流)を習い始めた惠良さん。1級取得後には生け花教室を開講し、生花を加工したプリザーブドフラワーのギフト提案などを通じて、長年にわたり「お花に触れることの楽しさ」を伝えてきた。

そんな惠良さんが手作り石鹸に関心を持つようになったきっかけは、お子さんの肌トラブルだったという。日々のケアに役立つものとして注目し、やがてお花の石鹸や、ニオイ対策を意識した「紳士のたしなみ石けん」など、オリジナル石鹸の開発をスタート。研究と試作を重ねる中で、使い心地のよさや自然素材の魅力を実感し、自らの表現の一つとして石鹸づくりを深めていった。

人気の「FUKUSOAP」は山口県で活躍する企業家の集まりにて知り合ったフグ卸業者とのご縁から生まれた。かねてよりフグの身より皮が好物だったという惠良さんが「フグの皮が石鹸にならないか」と口にしたところ、かつてないアイデアで面白いと形になっていった。料理で廃棄される高級トラフグの皮をリユースにて仕入れ、そこから上質なフグコラーゲンを生成して石鹸を作る、こうして2019(令和元)年にはFUKUSOAPが商品化された。

フグコラーゲン石鹸「FUKUSOAP」

高い保湿感が魅力の「FUKUSOAP」

フグには、他の魚介類と比較しても海洋性コラーゲンが豊富に含まれているとされ、近年ではその栄養特性に注目が集まっている。研究では、コラーゲンを構成するアミノ酸の一種・グリシンの含有量が多いことも確認されており、健やかな肌づくりに寄り添う成分として関心を集めている。

特に、潮流の強い環境を好んで回遊するトラフグの皮には、良質なコラーゲンが含まれているといわれる。「FUKUSOAP」は、こうしたトラフグの皮由来のコラーゲンを配合し、洗い上がりのしっとり感が特長の石鹸。体温でなじみやすいコラーゲンがやさしく肌を包み、洗顔後のつっぱり感を抑えた使用感が支持されている。「クレンジングいらずで便利」といった声もあり、日々のケアに取り入れやすいアイテムとなっている。

2023(令和5)年には、同じくトラフグの皮に着目したフェイスマスク「FUKUMASK」も登場。月に数回のスペシャルケアとして利用されることも多く、エステサロンでも採用されているという。弾力感のあるテクスチャと保湿感のバランスが心地よく、日常のケアに彩りを添えてくれるアイテムだ。

日常使いできる高品質なアイテムとして

「ぜひ併せて手に取ってほしい」と惠良さんが語る、FUKUSOAPとFUKUMASK。特にFUKUSOAPの発売時期は、コロナ禍による行動制限が続いていた時期。だからこそ、ユーザーの声にじっくりと耳を傾けることができたと振り返る。

保湿ケアを重視する女性はもちろん、洗顔後の使用感を気に入る男性からの支持も高く、少しずつ評判が広がっていった。現在はオンラインショップに加え、山口県内各地の道の駅や土産物店、ホテル、サービスエリアなどでも手に取ることができる。

また、県外でも広島駅のekieや、東京・日本橋の山口県アンテナショップ「おいでませ山口館」で取り扱い中。山口の特産品フグを生かしたアイテムということもあり、お土産として購入する観光客にも人気だ。

一方で惠良さんは、FUKUSOAPを「日常の中で使い続けられるアイテム」として定着させたいと考えている。JR西日本と地域事業者が連携する「てみてプロジェクト」にも参画し、商品のブランディングを強化。希望のペースで続けられる定期便もスタートした。

お子さんの肌の悩みをきっかけに誕生したこの石鹸を、より身近なかたちで届けること。その原点に立ち返りながら、惠良さんは今日も多くの人にやさしさと笑顔を届けている。

過程を楽しみながら走り続ける

FUKUSOAPを販売することが地域振興の一助になればよいとも考えている。商品を通じて地元・周南市にある「粭島(すくもじま)」がフグの延縄漁発祥の地であることや、その地で暮らす人々、島の魅力を伝えられればとの思いがある。

「のめり込んでしまうタイプなんです。昔からですね」と自己分析する惠良さん。お花・手作り石鹼・地元地域とさまざまな方面に目を向けながら自身の思いを形にしてきた。現在も多くの人たちと関わり合いながらFUKUSOAPを携えて走り続けている。「止まることができないマグロと同じです」と笑うが、何か大きな成功を収めるというよりもそこに至る過程を大切にするのが惠良さんのスタンス。

「多分やっている過程が好きなんです。本来知り合うことのなかった人たちと関わったり、しゃべったり。そういったストーリーが大好きなんだと思います」と語る姿を見て、これから惠良さんが紡ぐ物語がどのように展開していくのかより楽しみになった。

日常に取り入れたい上質なアイテムであることはもちろん、惠良さんらさまざまな人たちの思いやこだわりが詰まったFUKUSOAP。その特別な潤いを実感してみてはいかがだろうか。

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