長門市/山口

長く愛される味
卵を生かした
素朴な焼き菓子

長門市/山口

末永 明典_深川養鶏

2026.07.15

山口県長門市に本部を置く、深川養鶏農業協同組合。鶏の飼育から加工、販売までを一貫して手がけるこの組織では、新鮮な卵を生かした製菓づくりにも力を注いできました。

今回お話を伺ったのは、製菓部 製造課 課長であり商品開発も担う岡本義弘さんと、販売や流通を担う製菓部 営業課 課長代理の兼澤勇次さん。お2人の話から見えてきたのは、深川養鶏の製菓づくりに息づく「捨てずに生かす」という姿勢でした。

長く親しまれてきた焼き菓子と、それらを楽しめる売店の魅力を紹介します。

製菓づくりへの思いを語る岡本さん(左)と兼澤さん(右)

長く愛される定番の味

「鶏卵せんべい」は、有精卵とはちみつを使った焼き菓子だ。1953年に製造が始まって以来、70年以上にわたるロングセラーで、深川養鶏の製菓商品のなかで最も長い歴史を持つ。

誕生の背景には、養鶏の現場で生まれた工夫がある。深川養鶏では、種鶏(親鶏)が産んだ卵から雛を孵し、ブロイラーとして育てている。しかし、若い鶏が産む小さな卵のなかには孵化に適さないものもあり、「それらを廃棄するのはもったいない」という考えから、お菓子づくりに活用したことが始まりだ。

現在では、製造過程で割れたり欠けたりしたものを袋詰めにした「鶏卵われせんべい」も販売。美味しさはそのままに、家庭用として人気を集めている。

その味わいは、どこか懐かしさを感じるカステラ風味。「シンプルだからこそ、長く愛されているんだと思います」と岡本さんは話す。

山口県北部では、昔から日常のおやつとして親しまれてきた。現在ではお土産としても定着し、需要は高まり続けている。「県外からのお問い合わせも増えています」と兼澤さんが話すように、その存在は地域の外へも広がりを見せている。

70年以上愛され続ける「鶏卵せんべい」/家庭用として人気の「鶏卵われせんべい」

素材を生かした焼き菓子

深川養鶏の「捨てずに生かす」という考え方が息づく商品は、鶏卵せんべいだけではない。「おすそわけプチクーヘン」もその一つだ。もともとは、バームクーヘンを製造する過程で出る端の部分を袋詰めにしたのが始まりだった。現在では需要の高まりを受け、端だけでなく通常の商品もあわせて詰めるかたちで販売されている。袋いっぱいに詰まったボリューム感も魅力で、主に自宅用のお菓子として人気を集めている。ふんわりとした食感の生地からは、卵の風味がしっかりと感じられる。

一方、「夏みかんマドレーヌ」は、北海道産の濃縮乳を使った生地に、萩市名産である夏みかん果皮の砂糖漬けを混ぜ込んだ焼き菓子。ミルクのまろやかさに柑橘の爽やかな香りが重なり、地域性も感じさせる。

いずれの菓子にも共通するのは、何度でも手に取りたくなる素朴さだ。深川養鶏では、鶏の健康に配慮しながら飼育をおこなっている。そうした素材への向き合い方が、素材の持ち味を生かす菓子づくりにもつながっている。

卵の風味を楽しめる「おすそわけプチクーヘン」/地域の魅力を生かした「夏みかんマドレーヌ」

立ち寄りたい深川養鶏の直売拠点

今回紹介した3種の焼き菓子は、深川養鶏の自社オンラインショップで販売されているほか、製菓工場に併設されたふかわ養鶏直売店「トリーネふかわ」でも取り扱っている。トリーネふかわの店内には、焼き菓子だけでなく、長州どりや長州黒かしわを使用した加工食品も豊富に並ぶ。深川養鶏ならではの鶏肉や加工品を、気軽に購入できるのも魅力だ。

また、ドリンクやソフトクリームも販売しており、購入した商品を店内のイートインスペースで楽しむこともできる。季節限定の商品が登場することもあり、訪れるたびに新しい味わいに出会えるのも魅力だ。

焼き菓子はもちろん、深川養鶏が手がける鶏肉や加工品にも出会える場所として、長門を訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてほしい。

トリーネふかわ

〒759-4101 山口県長門市東深川707-1 地図を見る

TEL/0837-22-2123
営業時間/8:00~17:00
店休日/水・日曜日

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