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周防大島町/山口

島の果実工房
「瀬戸内ジャムズガーデン」が取り組む
新たな地域創生プロジェクト

周防大島町/山口

松嶋 匡史_株式会社 瀬戸内ジャムズガーデン

2024.03.27

瀬戸内海に浮かぶ周防大島の一画に店舗を構える地産の果物にこだわった手作りジャム専門店「瀬戸内ジャムズガーデン」。併設のカフェでは季節のジャムを使ったスイーツやドリンクが提供されています。こだわりの商品はオンラインブティックを通じても購入可能。果実栽培から取り組み、丁寧に仕上げた濃厚なジャムは贈り物にもぴったりです。

園主を務める松嶋匡史さんは京都出身。ノウハウのない状態から妻・ちあきさんの地元である周防大島に移住し、地域の人々の力を借りつつ事業を盛り立ててきました。そんな松嶋さんが現在ジャム作りと併せて取り組むのが地域資源を活用した人のつながりの構築。すでに注力している「レモンチェッロ」と「おん宿 古今せとうち」のプロジェクトについて詳しく伺いました。

木製のレモンチェッロプロジェクト特命農業部員証

レモンの丘から未来を拓く「レモンチェッロ」

コロナ禍真っただ中の2020(令和2)年2月に「こんな時代だからこそ新たな地域名産品作りで夢と希望を」という思いのもと、瀬戸内ジャムズガーデンの新たな挑戦が始まった。地中海性気候で柑橘栽培が盛んな周防大島に根差す「地域とともにレモンチェッロで未来を拓くプロジェクト」だ。本プロジェクトによって誕生した「レモンチェッロ」とはレモンのお酒のこと。イタリアを起源とするレモンのリキュール酒・リモンチェッロがベースとなっている。

レモンチェッロ作りはレモンの苗木を植えるところから始まる。作業するのはプロジェクトに賛同・出資した「特命農業部員」の人たちだ。広島や山口はもちろん関東・関西・九州などからもメンバーが集まる。店舗の裏手にある「レモンの丘」を舞台に島外の人たちとの縁も形作られていく。

100年続く周防大島の新たな名産品に育て上げたいと考案されたレモンチェッロ。イタリアの伝統的な製法を忠実に再現した「瀬戸内のレモンチェッロ クラシコ」や瀬戸内ジャムズガーデンオリジナルの調整を加えた「瀬戸内の生レモンチェッロ」をはじめ、島柑橘の個性を引き出した限定商品などもラインナップされている。開発の背景にまで思いをはせながら丁寧に仕上げられた島の味を楽しみたい。

地域全体が一つのホテル「おん宿 古今せとうち」

過疎先進の島で「100年後の地域のために今できること」をコンセプトに地域独自の産業を作るべく取り組んできた瀬戸内ジャムズガーデン。創業20年目の節目を迎えるにあたってオープンするのが「おん宿 古今せとうち」だ。古民家を改築した一棟貸しのお宿で、箱庭のような敷地に三棟が並ぶ。

内部は洗練された和モダンのテイスト。キッチンに露天風呂まで備えている。元をたどれば江戸時代の末期に周防大島へ初めてみかんの苗木をもたらした、大庄屋・藤井彦右衛門の所有であったというこちらの屋敷。趣向を凝らした内装からは歴史の重みが感じられる。

宿泊者は食や温泉を通じて地域と関わりながら島の魅力を満喫することができる。例えば、宿泊客自ら漁師の営む鮮魚店に島の旬の魚の刺し盛を注文して取りに行ったり、地元の温泉施設の湯につかりに行ったりする。宿では食事を提供しないため地域社会と触れ合う機会はおのずと増える。他の事業者たちと協力し合って島ならではのサービス・体験を提供し、地域全体を活気づかせたいという松嶋さん。ジャム作りを通じて周防大島を見つめ続けたからこそ、一か所で完結しない「地域全体が一つのホテル」という考え方に至った。

レモンチェッロはオンラインブティックでも販売中。「おん宿 古今せとうち」は2024(令和6)年4月18日開業。宿泊予約や詳しい情報は「おん宿 古今せとうち」公式サイトをご覧いただきたい。地域の中だけにとどまらず、人と人とをつないでいく新たな取り組み。楽しみに続報を待ちたい。

瀬戸内ジャムズガーデン

〒742-2804 山口県大島郡周防大島町日前331-8 地図を見る

TEL/0820-73-0002
営業時間/10:00~17:00
ジャム販売定休日/水
カフェ定休日/水木

3月~11月の土日祝日と夏休み7月20日ごろから8月末日までは17:30まで営業

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